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空間魔法は使わない。
そう決めて、俺は鬼畜丸を異空間にしまい、足裏で魔力を爆発させてハーフヴァンパイアの女に近づく。
そしてハーフヴァンパイアの顔に目掛けて拳を放つ。
「ちっ......」
ハーフヴァンパイアは腕を顔の前にやり、俺の放った拳を防御しようとするが、俺はハーフヴァンパイアに放った拳を開き、ハーフヴァンパイアが防御しようとしていた腕を掴み、そして足でハーフヴァンパイアの足を横から蹴ってバランスを崩させ、掴んでいる腕を引っ張ってぶん投げ、ハーフヴァンパイアを地面に仰向けに叩きつける。
「な......！」
「死ね」
目を見開いて驚くヴァンパイアの顔に向かい、拳を放つ。
ヴァンパイアはすぐに状況を理解すると、受け止めるのは良くないと思ったのか、顔を傾けて拳を避けた。
目標を失った俺の拳はそのまま進んでいき、地面を殴った。
地面が揺れた。
訓練室の地面には俺の拳を中心に半径3m程の円になってひび割れている。
ヴァンパイアはその事実を瞬時に理解すると、俺の顔に向かって手を突き出してくる。俺はそれを顔を傾けて避けるが、その瞬間にヴァンパイアは地面から飛び起き、俺から離れた。
ヴァンパイアの顔にさっきまでの余裕で妖艶なものは無く、冷や汗を滲ませた必死な表情でこっちを見ている。
「おい、ハーフヴァンパイア。さっきまでの余裕な表情はどうしたよ？」
俺がそう声をかけると、ハーフヴァンパイアはそこでようやく自分が必死な表情をしている事に気付き、強がったようにまた妖艶な笑みを浮かべて、
「......ふん、今のは多少驚いただけだ。人間にしてはやれる方だとな」
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