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でも死にたくない。
おこがましいかも知れないけど痛いのは嫌だ。
それとどうせ死ぬなら他人のために死にたい。
最後くらいは他人からの「ありがとう」をもらってもバチは当たらないだろう。
まぁとりあえず……
「危ない!!」
キキィー!ドンッ!
「お、おい!あんた、大丈……う、うわぁぁ!」
「お兄ちゃん?大丈夫?」
意識が朦朧とする。たしか僕は男の子をかばってトラックにヒカれたんだっけ?
ははっ…まさに本に描いたようだな。
「ぐッ!大丈夫だよ…君は怪我してない?」
「うん、ちょっと擦りむいただけ。」
「よかった…安心したよ。」
「あんた少し静かにしてろ!死ぬぞ!」
「いいですよ。どうせもう助かりません。…胸から下、感覚がないんですよ。」
おそらく脳にダメージを負っているんだろう。
でも逆に痛みがないから嬉しい。
「お兄ちゃん…」
「ん?ゲホゲホ」
「…ありがとう。」
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