ほら、好きになった

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「で、なんでお前ついて来てくるん?」 「お前やなくて、どっくんやろ?」 「俺の質問は無視か」 保健室でせっかく昼寝をしようとしていたのに、何故かこいつまでついて来て でももう錦戸に何を言っても仕方ないから、聞こえないほどのため息をついて、保健室の白いベッドに横になる 「抱いてや、横山くん」 錦戸の存在を完全に無視しようと、瞳を閉じて眠りに入ろうとすれば聞こえた、掠れた声 その言葉にびっくりして、起き上がれば、すぐ近くに錦戸の姿があって 「お前、本間に頭、狂ってんちゃう?」 「狂ってるよ」 「…っ…」 「横山くん見てると、本間に狂ってまうねん」 ギシッと低い音を経てて、錦戸がベッドに腰掛けて、更に近付いた距離 いつもとは違う錦戸の雰囲気 ヘラヘラなんてしてない、真っすぐ真剣な瞳を向けられて、固まった俺の身体 ゆっくり、ゆっくり、錦戸の指が俺の顎をなぞって ゆっくり、ゆっくり、近付いてくる錦戸の、整った顔 睫毛が長い、そう思ったのと同時に俺の唇に触れた、柔らかい感触 「好き、横山くん。…俺は本気やで?」 離れた唇に、離れた顔 目の前には今までに見たこともないくらい、真剣な表情をした錦戸の顔があって、 (あぁ、やばい、惚れたわ) end .
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