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両手いっぱい、彼がだいすきな食べ物をたくさん買った
笑うと少しだけ下がる目尻と、桜色の厚い唇から見える白色の歯と、特徴的な笑い声が聞きたくて、すべて買った物
甘やかしすぎやって他のメンバーからよく言われるけど、俺は子供みたいにはしゃぐ横山くんが好きなだけだから甘やかしてるつもりはない
ただ彼の無邪気な笑顔みたい、それだけ
905、とだけシンプルに書かれた玄関の数字
白い壁に付けられてるチャイムを鳴らせば、機械的になる呼び出し音
しばらくすれば玄関の鍵が外れる音がして、顔を覗かせた、俺の恋人
「うわぁ、すごい荷物」
「ふふ、ぜんぶ横山くんへのお土産」
「太らせる気、まんまんか」
普通に部屋の中に入って、普通にリビングに入って、普通にテーブルの上へ置いた荷物
テーブルの上に置かれた物、食べ物を、袋の中から一つ一つ出して眺める横山くん
「あ、これうまいやつ」
「ほとんど横山くんの好きなもんしか入ってへんよ~」
「…本間や、これもうまいやつ」
「横山くんの好物は把握済みや」
「きもちわるっ」
口角上げて、あひゃっと笑う横山くん
本当は少しも気持ち悪いと思ってないのに、照れ隠しでそういうこという、彼も好き
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