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まだ袋の中から一つ一つ食べ物を取り出して、目を輝かせながら眺めてる横山くん
(食べる気、まんまんか)
「お茶でええの?」
「棚ん中にコーヒー入ってる」
「なら、コーヒーでええ?」
「おん」
ここは横山くんの家なのに、俺が買ってきた食べ物に夢中な彼の代わりに、俺が飲み物の用意をする
たぶん、こういうところが甘やかしすぎって言われるんだと思う
でも嫌ってわけでもないから、キッチンに向かって、棚の中を見れば小さなビンの中に入ったインスタントコーヒー
「はい、どうぞ」
「ん、」
「どれか食べるの?」
「これと、これ」
「なら一緒に食べよ」
「おん」
二人並んで座ったソファーの上、目の前には無造作に開けられたお菓子の袋2つ
ばりばりぼりぼり、俺の買ってきたお菓子と、俺の入れたコーヒーを飲みながら幸せそうな横山くん
その姿を横から見ていれば、唇にお菓子のカスを付けた横山くんと目が合って
「どっくん、ありがとう」
照れ笑いをして、スッと逸らされた瞳に、瞬間的に緩んだ俺の口元
うん、やっぱり俺は彼に甘いかも
だってもう、全部がぜんぶ、すっごいだいすき!
(あ、まだちゅうしてない)
end
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