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第一印象は、白い肌に栄える金の髪色がとても綺麗で、ほんのり桃色の分厚い唇に、どこか英国の少年を思わせるような整った顔をした、すごく近寄りがたい人だった
でも実際に喋ってみると、少し抜けた声に、甘ったるい喋り方。おまけに先輩のくせしてすごく子供っぽくて、シャイで忘れっぽい、でも人一倍やさしい人
それが僕の好きな人、横山先輩だった
「横山くんは、大学行くんですか?」
「就職や。勉強なんてもうせぇへん」
「あはは、横山くんらしいですね」
「なんや、バカにしとるんかお前」
「いや、ちゃいますよ!ただ僕はなんか、そのなんていうか…」
「…ぶっ、あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「え?」
「マル、お前なに本気で焦ってんねん!おもしろすぎや」
横山くんの特徴的な笑い声が響いた屋上のお昼休憩
僕と横山くんは毎日ここで一緒にお昼ご飯を食べる
学校の先輩と後輩、別に付き合ってるわけではないけど自然に横山くんと僕でご飯を食べるというスタイルが定着して
僕が横山くんのことを好きだと、知ってか知らずか、目の前の彼は金髪を風になびかせながら無邪気に笑うから、もういっそのことこのままの関係でも満足やな、と僕もつられて笑った青空の下
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