君の声しか聞こえない

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二人で向かい合って食べた、シンプルな朝食 横山くんは僕の食べる姿が好きらしくて、ご飯の時はいつもにこにこしながら僕をみて、僕もそんな横山くんと目を合わせて一緒に笑う こんな当たり前の日常も君となら、アホみたいに楽しくて 朝食が終われば、後片付けは僕の仕事。スポンジに泡を付けて、ごしごし軽く濯ぐ 白になった綺麗な食器を棚に戻して、リビングに戻れば、ソファーの端にちょこんと座った横山くんの姿 当たり前のようにその隣へ(強いて言えば、かなり横山くん寄りに)座れば、ちらっと視線が触れてすぐに逸らされた瞳 きっと恥ずかしがり屋な横山くんのことだから、僕が隣にきたことに恥ずかしくなって目を逸らしたんだと思う そんな可愛いらしい彼をみて、抱き着かずにはいられなくて、ぎゅっと横から横山くんの少しぷにぷにしたお腹へ手を絡ませる 「横山くん、だいすき~」 口の形でなにを言ったのか理解した横山くんは、すぐに顔を赤くして、それを隠すかのように僕の胸へ顔を埋めてしまって 横山くんも好きって言うて?、その意味も込めて僕の胸にある顔を上げさせて、じっと瞳を見つめれば 「     」 顔を真っ赤にさせて、僕の言ってほしかった言葉をくれた横山くん その厚く桃色に染まった唇に、触れるだけのキスをすれば、また君は笑顔になって 「愛してる、本間に」 僕から最上級の愛言葉 これからも、これから先もずっと僕は横山くんしか見れないよ ずっとずっと僕の声に、ずっとずっと君の声に、耳を傾ける (声にならなくても、僕には聞こえるよ) (耳に届かなくても、俺には聞こえてる) end .
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