159人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
「ねぇ~
何で拗ねてんの~?」
「最悪」
「えっ、俺のこと?」
「惚けんなよ」
「本当に何のこと?」
「…藤木さん」
あ~
あのことね。
「イヤだったんだ?」
「…別に」
強がっちゃって。
「ごめんね?」
ぷいっ
そうやって直ぐに
そっぽを向く俺の彼女。
そんな彼女も可愛いんだけどね。
「あれはホントに…」
理由を喋ろうとしたら。
「お前が…」
彼女が何か言った。
だけど
声が聞き取りにくくて
え?
そう聞き返す。
「…っ、お前最悪」
突然引っ張られた腕、
重なった唇。
「しゅ…」
しばらく重ねていた唇を
名残惜しそうに離す彼女。
彼女の瞳は少し潤んでいて。
俯きながら
「…俺以外のやつにへらへらすんなバカっ、最悪」
耳まで真っ赤にして
さっきより潤んだ瞳で喋る彼女が凄く可愛くて。
もう一度、
今度は自分からキスをした。
「…んっ」
「…反則な俊のほうが最悪。可愛すぎ」
end.
最初のコメントを投稿しよう!