君と。

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「ねえっ!俊」 今日も来た。 煩いアイツ。 今日は何の用だ。 宿題か? どうせ宿題だろ。 「…んだよ」 少し不機嫌そうな 感じを醸し出して 返事をする。 「もう、分かってるくせに!」 あぁ、分かってるよ。 「宿題だろ」 「当たり! 今日は数学だよ」 コイツ毎日来てるの。 毎日毎日宿題を 教えろってそれだけ のために。 「あのなぁ…」 「ん?」 「ん? じゃねぇよ!お前さぁ自分で宿題もできないわけ?言っとくけど俺、お前より年下だぞ」 「だって俊頭いいじゃん」 「俺じゃなくったって愁君がいるじゃん」 「あー、愁ちゃんはダメ。だって蒼君とラブラブだもん。あの中に入ったら俺、完全アウェーだからね?」 「…ったく。そこの席座れ」 「やった!」 俺ってつくづくコイツに甘い。
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