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「あの、優梨ちゃん、僕と付き合ってくれないかな…?」
私は同じ学校の男子生徒に屋上に呼び出されていた。
「ごめんなさい。私今誰とも付き合う気はないの。でも、友達なら、いいです。」
男はしょげたような少し困ったような顔をしてその場を去った。私はその背中を静かに見ていた。
「あーりゃりゃ。またふっちゃったんだ、香坂優梨(コウサカユウリ)さんは。さっきの男の子、泣いてたよ。」
そういって私の隣にきたのは、この桜川高校に入学して一番最初に仲良くなった柏田美優(カシワダミユウ)だ。美優は明るくてすごく優しい。
「さっきの男の子ってすごくモテてる人だよ。優しくて頭も良くてスポーツもできるんだって。」
「ふーん…。でも私全然知らないもん。知らないのに付き合ったりなんかできないよ。全く知らないのに付き合う方がおかしくない?」
「まぁそうだけどさぁー。」
そういってため息をつく美優。
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