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この恋は叶うことのないものじゃなかった。
でも首を絞めている。
今現在、彼女を殺そうとしていた。
「咲いた咲いた。チューリップの花が。いつかね。生まれ変わるのよ。私は」
彼女の上に僕は跨がっていた。
「チューリップに。いいでしょ」
彼女は遠い目をしていた。
「いいな。僕もなりたいよ」
静かな部屋の外からは鳥のさえずりが聞こえた。
「いいの?」
彼女は悲しそうな顔をした。
「あなたが私のために未来を潰す必要ないのよ」
「いいんだ。君が好きだから」
精一杯の笑顔を見せた。
「ずっと一緒にいよう」
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