本編

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君は26歳の平凡なサラリーマンだ。 いつものように仕事を8時に終え、歩いてタクシーを探していた。 疲れた体を引きずるように歩道を歩く。 程なく、タクシーが前方に停まっているのを見つけた。 手を上げながら駆け出した瞬間、マンホールの蓋がいたずらで外されていたのに気づかず、君はそのまま丸い穴に吸い込まれるように落ちていった! 「ギャーー……」(だんだん小さくなる絶叫) 落下しながら、途中に突き出たいくつものボルトのような突起物に体を引っ掛けられ、背広は破け、シャツやズボンも脱げ、パンツまでも引っ掛かって底に落ちたときには素っ裸になっていた。 だが、幸いにも堆積していた泥で、かすり傷程度ですんだ。 盛大に下半身がまるまる泥に埋まっている。 もしこのように泥が堆積していなかったらと思うと、君は恐ろしくなった。 泥から這い出す途中、何か固い物体が手に触れた。 その物体を掴み、マンホールの入り口から差し込むわずかな光に照らしてみる。 懐中電灯だ。 おそらくここで工事をしていた人の忘れ物だろう。 スイッチをオンにしてみると、光が辺りを照らした。 電池は湿気でやられていなかったようだ。 泥から這い出す際に靴下まで脱げてしまう。 懐中電灯で落ちてきた穴を照らすと、ボルトに引っ掛かった君の着ていた背広やパンツ、革靴までもが地上から入り込んでくる風に吹かれて揺れている。 まるでクリスマスツリーのようだ。 君は一瞬愉快な気分になったが、今の状況を思い出してハッと我に返る。 地上へ脱出する方法を探してさらに穴を照らすと、梯子は10メートルほど上から錆び付いてボロボロに腐食していた! もちろんロープなんてものも下がってはいない。 穴の幅は2メートルはあり、よじ登ることは不可能だ。 別の出口を探す以外に脱出する方法はなさそうだ。 君はむき出しの下半身が気になりながらも隠すことなく、梯子の反対側に延びている丸い通路を懐中電灯で照らしながら、出口目指して進み始めた。 通路には、マンホール入り口の底に堆積していた泥が途中まで流れ込んでいたが、やがてそれもなくなった。 通路は乾燥したものに変わり、進みやすくなってきた。 さらに通路をまっすぐ進むと、途中で左に別の通路が現れた。 懐中電灯で両方の通路の先を照らすが、まっすぐに延びているだけで、出口からの光や風も感じられない。 さらにまっすぐ進む 2ページへ 左の通路を進む 3ページへ
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