完璧ならば

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Kside 『なぁ、聖』 『あぁ?どうした、かめ』 『完璧な男ってどんな人だろうな』 『おいおい、また突拍子もない疑問だな』 『最近の悩みだよ、これ』 そう言って、手元にあったブラシで少し遊んでみたり。 聖も軽く溜め息を吐きながらも俺の隣に座り、俺からブラシを取り上げる。 『さてさて、お悩み相談といきますか』 『さすが、聖。っても、ただ理想の話をしてるだけなんだけどね』 そう言ってまた聖の手に収められていたブラシを取ろうとしたら軽く避けて笑われた。 『かめが完璧な男になりたいのは分からなくもねぇけどさ』 『いや、俺じゃないから』 『へっ?』 『俺の話じゃなくて、完璧な男の話をしてんの』 『ごめん、あんま話の内容を掴めてないわ』 『だろうね。俺の話と思ってたんだから』 そう言って苦笑しながらまた手を伸ばせば、今度はブラシに手が届いた。 聖は抵抗無くブラシを俺に渡したけど、なんだか味気が無くなっで飲み物買ってくる゙と嘘をついて楽屋を静かに後にした。
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