完璧ならば

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『かめ仕事頑張ってね。また終わったら連絡する』 『うん、ぴぃこそ頑張れよ』 『ここからだったら俺ん家の方が近いから合鍵で勝手に上がっといてくれても構わないから。てか、そっちの方が有り難いかな』 『考えとくよ』 そう言えば、最後にいつもの笑顔を残してさっと楽屋から出て行ったぴぃ。 遊びに来たという割に長居をしないのがぴぃのスタイル。 さっき俺の横を通り過ぎた時、香水の匂いが仄かにした。 あれは確か、俺が誕生日にあげたもの。 そう思えば、少し嬉しくて微かに笑みが零れたが、前に向き直れば少しだけ不機嫌な彼がいた。 『やっぱりあいつセコいな』 『あいつってぴぃ?』 『何してもイケメンじゃん』 『だってぴぃだもん。仕方ないよ』 『なんか叶う気しねぇ…』 『じゃあ諦めたら?』 『それはまた話が違ってくるから』 そう言って少しぎこちなく笑う姿も嫌いじゃない。 少し不細工だけど、憎めない微笑み。 『お前も十分いろいろ持ってるよ』 『へっ?』 そう言って出た声はどこかおかしな声で、また一つ俺の顔に笑顔をくれる。 『さっ、仕事仕事!』 そう言って気合いを入れれば、目の前の君が納得していないながらも笑ってた。 君が笑うから俺の頭の中は少しだけ軽くなった。
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