抱きしめたい

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携帯を取り出し、信号が変わる前に愛しい君へ繋がりますように…。 ゙はい、もしもし…゙ 目の前の信号が青に変わりまた走り出す俺。 携帯が防水だったかなとか今はどうでも良くて。 『かめ!今から会いに行くから!』 ゙えっ…?中丸…?゙ こんなにも君に名前を呼んで欲しいと願うのは、付き合っていた頃には分からなかった。 当たり前過ぎた呼び名に君は文句も言わないで、君だけは俺を特別に呼んでくれた。 すべてを手放して気付いた事を本当は君にすべて伝えたい。 君の香りが好きなんだとか。 キスしたい、その柔らかな唇に。 少し癖のある髪に指を絡めて笑い合いたい。 だから…… 『今から会いに行くから!待ってて!』 本当は別れてもずっと傍にいれると思ってた。 またすぐに笑い合えると勝手に思ってた。 『かめ、好きなんだまだ…』 ゙ゆ、う…いち……゙ 君への愛しさはずっとあったはずなのに、今になって気付いたんだ。 忘れてしまっていた愛の言葉を、もう一度君に届けたい……
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