敵は湿気…?

2/2
前へ
/144ページ
次へ
『かめ、クシ貸して』 『はい』 『聖、ワックス』 『いや、ムースの方がいいだろ』 『俺も一回、坊主にすっかなぁ…』 『はいはいっ!今のは暴言だと思います!』 『田口みたいにいっその事、短くするのも…』 『かぶると嫌だから止めてよ。まぁ中丸君にはこの髪型は似合わないと思うけど』 皆が見つめる中、一人髪の毛と戦い中。 周りの声は一切聞こえていない様子。 『まぁ今日、雨だしな』 『中丸には嫌な日だな』 『ってか俺、もう坊主じゃねぇし!』 『別に中丸君が気にしてるほど、皆は気にしないと思うよ?』 『…………………』 やっと手を止め、四人を見渡す。 『お前らは湿気の怖さを知らないからそんな事が言えんだよっ!』 そう言うとまた鏡に向き直る中丸。 周りは一旦静まり返ったが、溜め息が聞こえると一人、また一人と楽屋を後にしていく。 最後に残ったのは亀梨と中丸。 『まぁ湿気は気になるとは思うけど、俺は別に中丸はその髪型のままでいいと思うよ?』 それだけ言い残して楽屋を出て行く亀梨。 扉が閉まるのを確認してから頭を左右に振り、サイドの髪を確認。 『まぁ崩れた時はかめに直してもらえばいいか…』 そういい、何故か満足したように楽屋を後にする中丸。 その数時間後、ステージの上で湿気に負けた中丸であった。 『中丸、髪乱れてる』 END.
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

348人が本棚に入れています
本棚に追加