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昨日隣にいた友人が今日はいない、そして明日は我が身かもしれない。
そんな死が当たり前のように隣り合わせの世界に私達は生まれた。
幼い頃からアビスという怪物から生き残る最低限の術を学び、対アビス機関への所属を希望する者は一定の養成期間を経てようやく一人前と認められ、各地の治安維持に貢献、そしてアビスの殲滅を主とする。
アビスへの復讐心、天涯孤独、理由は様々だがその多くは決して胸を張って言えるようなものじゃない。
願ったところで現実は歪まない、願ったところで何も変わらない。
ああ、どうしてーーー
「世界はこんなにも残酷なのだろう」
誰に言ったのでもないその囁きは、静かに虚空へと消えていった。
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