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「三つ子はどこに居るんだ?」
「蘭たちは部屋にいるはずです
よー」
料理をする手はとめずに薺は答えた。
「ありがとうっ」
僕は椅子から立ち上がり、二階にある三つ子の部屋に向かった。
廊下に出ると、メガネの少女に出会った。
「おっ! おはよー、桜」
「……おはよ」
この口数の少ない子は佐咲桜(ささきさくら)。
桃色の綺麗な髪を後ろでくくってポニーテールにしている。
良く本を読むために目が悪く、常にメガネを掛けている。
中学3年で、約一年後には受験を控えている。
三女である。
「あ……、お兄……」
「ん、どうした桜?」
「今日……、楽しみ……」
メガネの奥の瞳は、少し輝いてるように見えた。
感情表現が苦手なようなヤツだから整った顔立ちのうえ一層可愛く見える。
「おうっ!!」
そして小説を片手にリビングへと姿を消した。
これが桜の日常。
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