第1章

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『魔精』と共に暮らすこの世界で、人間と『魔精』との友好関係を示すものでもあると言えるのが、この『魔精士』と『魔精』の関係である。  だからこそ、『魔精』が『魔精士』となる人間を選ぶとき、またその逆の状況についても、理由は様々である。  単純な好意からパートナーとなる場合もあれば、利害の一致から手を組む、という場合もある。  アルニカは、利害の一致からではなく、それ以外の面でも一生付き合っていけるパートナーを探したいと思っていた。  それ故、なかなかパートナーを見つけられずに居る。一切の妥協を許し得ないのも、それが理由だ。 「これだけの人材が居って、それでもお前の理想とする人間と出会えぬとはな……一生パートナーが見つからんのではないか」 「中途半端な奴と組むくらいなら、その方がマシだな」  アルニカは痩せ我慢などではなく、本気でそう言っていた。  意固地な彼女にこれ以上何を言っても無駄――そう判断したヴォルケは1人、歩き出す。  何か声をかける訳でもなく、アルニカもその後を無言で着いていった。 .
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