第1章

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 今彼女らが居たのは、中庭の中央にある、学園の巨大な時計塔の最上階。  8階建てのビルに相当する高さを誇るこの塔は、校舎である他の建物のいずれよりも高く突き抜けており、学園の象徴とも言える。  7、8階部分は時計の制御管理室である為、一般学生は立ち入り出来ない。  6階部分に、四面全てに窓を設けた広いスペースがある。 『ディアス』の街並みを一望出来るそこは、学生の間でも有名であり、休憩時間などに使用出来るよう、四人掛けの椅子と机が数セット用意されている。  ここで毎朝、『ディアス』を見下ろすのが、アルニカとヴォルケの、無意識の日課となっていた。  5階より下には広い階段しか無い。ヴォルケ達は階段を下った後、中庭へ出た。  学園は、2階建ての4つの校舎と時計塔で構成されている。  3学年制である為、各々の学年の学生が、校舎を1つずつ使う事となっている。  教養は勿論、戦闘における実技等も建物の中でこなせるよう、校舎内にもいくつかの教室を設けてある。  残る1つの校舎には職員室、そして各地の名物料理なども食べられる大きな学食と購買がある。  中庭を囲むように4つの校舎が配置されており、時計塔に配置された警備の人間・『魔精』が、校内の異変に即座に気付けるようになっている。
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