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かわいー。照れてるっ。
クスクスっと笑いながら及川君の腕にコツンと顎を乗せる。
「帰り、楽しみにしてる。」
今度は私が及川君に言う。
顔の半分以上を頬杖を付いている掌で覆ったまま、ちらっと及川君が私に視線を向ける。
「ばーか。」
そう言ってまたふぃっと窓際を向いてしまった。
私はフフっと微笑み、ぎゅっと及川君の腕を握って、その上にそっと頭を乗せた。
「あーあ。
まーた周りが見えてないよ。このバカップル。」
そう溜め息混じりに呟く柏木君の声もまったく耳に入って来ないほど、身体中が愛しさに埋め尽くされていた。
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