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ガタンッゴトン、ガタンッゴトン、キィー、プシュー……
「ふぅ~。やっと着いたか。」
俺は今、幼い頃から見慣れた駅に立っている………
俺の名前は【鉄越 金次(てつごし きんじ)】
今は料理人になる為、地元を離れ専門学校へ通っている。
そして、今日は二十歳になり成人式を地元で行うべく帰ってきた。
「やっぱり地元はいいなぁ~。」
俺は長く電車に座っていた自分の身体にご褒美をあげるかのように大きく伸びをした。
「それじゃあ。行きますか。」
そのまま歩いて実家へと向かう。
駅から実家までは歩いて20分ぐらいの距離。
俺は実家に向かいながら周りの懐かしい風景を堪能していた。
昔通っていた小学校、行き付けだった駄菓子屋、古ぼけた図書館どれもが懐かしく感じた。
そして一番に印象に残っていた場所、それは何の変わりも無い原っぱだ。
「ここの原っぱで俺は高校時代完全無敗の喧嘩番長として名を轟かせたんだよなぁ。
あの頃は何かあるとすぐ喧嘩してたもんな。
そんな俺が料理人って。」
思わず自分でも笑いが出てしまった。
そんな事を考えながら歩いていると、いつの間にか実家の前に着いていた。
「久し振りの実家。親には迷惑ばっかかけてたよな。」
等と考えてつつ玄関のドアを開けた。
「ただいまぁー。」
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