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時間の流れとは早いものだと思う。例えるなら川の流れ。川の水は止まらない。淡々と、どこへ向かうともなく進んでいく。まさに時間だ。
2012年3月11日。東北地方太平洋沖地震から、もう一年が経とうとしていた。
別に私自身が被災したわけではない。私は当時徳島にいたから、なんとか震災から逃れることができたのだ。震災のことを知ったのは、その日の夕方。高校から帰ってきた時だ。
私自身には関係のないことだ。その時の私は、そんなことを平気で思っていた。
だが、震災からしばらくしたある日、突然お母さんに呼び出しを食らった。
なんだろう。私、なにか悪いことしたっけ? などと思いながら、母の正面の椅子に座る。
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