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きっとこれが人生で最後に飲む缶コーヒーになるだろう。
公園の淡い外灯の光に照らされながら、俺は少しずつ少しずつコーヒーを口に含んでいく。
十二月三十一日。午後十一時ジャスト。
俺は新しい年を生きることよりも、過ぎ去る年と共に死ぬことを選んだ。
理由はひどく単純。もう疲れたからだ。自分はなんのために生きているのだろうか。なにを目的としているのだろうか。考えに考え抜いた結論がこれだ。
生きる意味は、俺にはない。
そのことに気付いてしまった。だからこそ死を選んだ。もともと望まれて産まれてきたわけでもない。死んだって誰も傷つかないんだ。
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