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サークシティには活気が溢れていた。
僅か数年前までは、機械の駆動音か、爆発音しか聞こえてこなかったが、今では機械の駆動音は全て作業用MTのものに、爆発音はその代わりに人の動く音に差し替えられた。
その姿は、まさしく復興への道を歩むものであり、もしも彼らを守る為に散ったものが見たら涙を流す光景だろう。
だが、大事な人を失ったものからしたら、この活気もただ虚しく響くだけだ。
活気からまるで浮いた空気で歩く少女も、虚しく響く側のものだった。
少女は数年前のバーテックス抗争で家族同然の人達を失った。
いかに世界が復興しようとも大切な人がいない以上、少女には何の価値もない。
少女が宛ても無く歩いていると、一つのビルだったものが目に写った。
壁という壁には弾丸が減り込み、屋根にはACに蹴られた後があった。
そしてそのビルの前には黒く擦れた道路があり、その先には全身傷だらけのACとそれを回収するアライアンスのトラックが見えた。
バーテックス抗争の傷跡は深く、サークシティ内でも探せば未だに放置されているACやMTの残骸が見れた。
それらは基本的には、アライアンスが回収し然るべき処置を取るらしいが、中には企業が先に回収する事もあるらしい。
バーテックス抗争から更に半年ほど前に企業は機能しなくなる程に赤い雨により被害を被ったが、バーテックス抗争終結後に『より効率的に研究を進める』という名目でキサラギが企業体制を復活させ、次いでミラージュ、クレストの順で『資源の効率的な配分』の名目で復活した。
これによりアライアンスは解散の危機を迎えたが、二代目隊長の活躍とキサラギの提案により『企業に対する唯一の抑止力』として存在する事になる。
アライアンスはその特性上、企業には任せる事が出来ない拠点(現在は発電所やダムなど復興の要となる施設が多い)を防衛している。
また、野良の傭兵が発生しないように大破したACの回収や、企業から横流しする闇ブローカーの摘発などもしている。
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