ANOTHERストーリー

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心の底から何かが込み上げてくる。それは、彼女達が居なくなってからぽっかりと空いた穴を無理矢理ながら埋めていった。 何故あの子供達が死ななければならない。 何故あの黒いACは子供達を見捨てた。 何故子供達が死ぬ方が幸せだと思った! 気がつくと、少女は瓦礫から子供達を探していた。だが見つかるのは、血か焼け跡がこびりついた瓦礫だけだった。 頭の隅では理解している。あの爆発だ、しかも落下までしている、生きているはずがない。 だが、込み上げてくる何かが行動しろと告げている。結果など考えるな、可能性を信じろ、生きているはずだと。 「その瓦礫には死体しかおらんよ」 気がつくと後ろに老人が立っている。少女は老人の言った事を無視して子供達を探し続けている。 「仮に生きていてもこやつらを助ける物好きはおらん」 子供達は見つからない、声もしない。 「金を払う見込みがないからな」 少女が立ち上がり、後ろにいる老人に今出来た疑問をぶつける。 「何故世界はこうなった……」 彼女達が居なくなったのは悲しいが同時に頭では理解している、彼女達は武装勢力として決して少なくない数の人を殺して来た。事実、彼女達には死ぬ覚悟があった。 撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけ、誰が言ったか分からないが的を得ている。奪ったのだから奪われても文句は言えない、悲しいがそれが事実だ。 だが、あの子供達は別だ。そもそも、あの子供達の手はまだ汚れていない。 バーテックス抗争のせいで自由に遊ぶ事も出来ず、やっと遊ぶ場所を見つけたら大人達に命ごと奪われる。 子供達は理不尽に奪われ続けただけじゃないか、何故撃ってもいないのに撃たれる覚悟を持たなければならない。 「それはジャック・Oが、いや、バーテックスが秩序を奪うだけ奪って敗北したからだ」 老人が少女の疑問に答える。 「奴らがレイヴンという抑止力を奪ったから戦場のパワーバランスが崩壊したんだ」
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