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暑い。 太陽がジリジリと肌を焼き、その度に白いブラウスにシミが生まれる。 頬を伝う水滴は既に拭う気力さえ持てずに、胸元にまたシミを作る。 …暑い。 7月も下旬に入り、いよいよ日本は本格的な夏を迎えた。 ……暑い。 「地球も終わりかな…」 毎年毎年、上昇し続ける夏の気温に私は思わず呟いた。 なんとか家にたどり着き、これで直射日光とアスファルトからの反射熱から逃れられると安堵し、アパートの自室の扉を開けたとたん── いや、ノブを握る前から何か嫌な予感はしてたんだ。
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