第一話 帰って来た幼なじみ

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「望んでないし!したら俺は死ぬな!絶対に!」 「あら?じゃあ、してみようかしら?」 「俺を殺したい程憎んでるのかよ!?」 「ふふ、冗談よ」 「お前が言うと本気か冗談かもわからねぇよ……」 とりあえず、安全の保証はとれたみたいだ。 安心して張り付いていた棚から離れると、ふと福島の持っているカゴが目に入った。 「……えっと、それはどうした?」 カゴには、ビニール袋にも入っていない魚達が、剥き出しで入っているではないか。 「今晩のおかずにする魚よ」 「いや、そういう意味じゃなくてだな。何故その魚が剥き出しのままカゴに入ってるんだ?」 「買うからよ」 「……」 会話が成立しているようでしていない。 明らかに間違った方法でカゴにいれているのに、当の福島は無表情のまま、間違っている事に一ミリも気づいてない。 「あのな、氷水に入って売られている魚は、ビニール袋に入れなきゃダメなんだよ」 「ビニール袋?」 「……まさか、ビニール袋もわからないのか?」 この問いに、福島は堂々と縦に首を振った。 衝撃の事実に俺は言葉も失い、頭を抱え込んでただうなだれた。
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