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「望んでないし!したら俺は死ぬな!絶対に!」
「あら?じゃあ、してみようかしら?」
「俺を殺したい程憎んでるのかよ!?」
「ふふ、冗談よ」
「お前が言うと本気か冗談かもわからねぇよ……」
とりあえず、安全の保証はとれたみたいだ。
安心して張り付いていた棚から離れると、ふと福島の持っているカゴが目に入った。
「……えっと、それはどうした?」
カゴには、ビニール袋にも入っていない魚達が、剥き出しで入っているではないか。
「今晩のおかずにする魚よ」
「いや、そういう意味じゃなくてだな。何故その魚が剥き出しのままカゴに入ってるんだ?」
「買うからよ」
「……」
会話が成立しているようでしていない。
明らかに間違った方法でカゴにいれているのに、当の福島は無表情のまま、間違っている事に一ミリも気づいてない。
「あのな、氷水に入って売られている魚は、ビニール袋に入れなきゃダメなんだよ」
「ビニール袋?」
「……まさか、ビニール袋もわからないのか?」
この問いに、福島は堂々と縦に首を振った。
衝撃の事実に俺は言葉も失い、頭を抱え込んでただうなだれた。
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