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しかも、クラスの女子よりも可愛いと人気で、男子にまで目がつけられていたりするが、それについて本人は気づいていない。
って、呑気に解説してるんじゃなかった。
「てか、お前はいきなり抱きつくなって!離れろ!」
俺は周囲の目を気にして、急いで自分の身体から竜彦を引き離した。
いくら外見が女子にしか見えなくても、性別は男だ。
それを知っている限り、抱きつかれても嬉しくもなんともないのが心情。
なのに、竜彦は不満げに頬を膨らませた。
「酷いよ、真人くん!だって、僕達終業式から会ってないんだよ!?友達なのに春休み中、メールだけの連絡しかしてないなんて、軽く問題だと思わない!?」
「だからって抱きつくな!それよりも、男同士で抱き合ってる方が問題なんだよ!」
「大丈夫!僕女の子って間違えられやすいし!」
「そういう問題じゃねぇー!」
すべてのボケ(本人自覚無し)に答えを返していたら、体力も息が上がるぐらいにまで磨り減っちまった。
一応確認の為に告げる、竜彦は天然だ。
しかも、超ド級のだ。
ここで構っていたら、このお昼が夕方に、……いや、下手したら夜にまでなりかねない。
そうなれば、家で鬼の形相をした麻子さんに俺が抹殺されてしまう。
考えただけでも恐ろしすぎて、身震いした。
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