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「悪いけど、今お前に構ってる暇ないんだわ。って事で急いでるから、じゃ!」
簡潔にまとめてその場から去ろうとしたが、またしても後ろから抱きつかれてしまった。
「やだやだやだ!今日は遊ぶのー!絶対に遊ぶったら遊ぶのー!」
「どんだけ我が儘なんだよ!いいから離せ!お前に構ってたら家に潜んでる鬼に、俺が殺されるかもしれないんだぞ!?」
「それでもいいから!」
「俺がよくねぇんだよ!」
腰に腕を回して、張り付いたままの竜彦を引き剥がそうとするが、力が強すぎてビクともしない。
どんな執念をもった馬鹿力なんだ!
そんな竜彦を引き剥がすのに手こずっていると、横の道から歩いてくる少女と目が合った。
「……っ」
俺は、彼女の信じられないくらいの美貌に言葉を失った。
漆黒のロングヘアーに、白く透き通った肌、目はパッチリ二重で、花柄ワンピースからは細い腕や足がさらけ出されている。
その少女を一言で表すなら、まさに二次元の女の子と同等な可愛さだ。
竜彦の声など耳に入らず、思わず見惚れていると、少女の方からニコリと微笑みかけてくれた。
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