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俺は桜坂を抱き抱えたまま裏庭の桜の木の下まで行き暴れてるコイツを下ろした・・・
『なんなんですかいったい!
材木だかなんだか知らないですけど
私はそんな事でヒイキするつもりはありませんから!』
桜坂はピシャリと言い切った・・・
「……。」
ざいもく・・・?
材木ってあの家とか建てる時に使うあれか・・・?
なに言ってんだコイツ。
・・・・・・・・・・・・・・ああなんだ。
「材木じゃなくて財閥だろ?」
『お、お黙りなさい!どちらでも同じ事ですっ』
「ど~でもいいけどよ、なんでお前いつもそんなツンケンしてんだ?
もっと普通に話せねぇのかよ? 」
『あ、あなたみたいな頭が空っぽの顔だけ良いような男となんて話す事はないし、
だいいち金輪際 死んでも話したいと思いません!!』
このやろ! 言いたい放題いいやがって。
「お前な、そんな吊り上がった眼鏡なんてかけてっからツンケンすんだろ!!!」
『やめてッ!!!』
俺は桜坂を無理矢理抱き寄せ目にかかっている眼鏡をもぎ取った・・・
『・・・・・・・・・・。』
「・・・・・・・・・・?」
眼鏡を取った桜坂を見て俺の心臓はドクリと音を立てる・・・
涙目になって見上げるコイツはいつもとはまるで別人の桜坂になっていて、しかも小鹿のようにプルプル震え俺の服にしがみつく・・・
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