眼鏡~1~

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『か、返してよバカーっ、 な、ななな なんでこんな事するのよ~ だ、誰か……助けて~』 「・・・・・ッッ!!!!」 な、なんなんだコイツ? 目を潤わせながらオドオドと挙動不審になり必死に眼鏡を取ろうとしてる桜坂をジーッと見つめた・・・なんなんだこの変わりようわ。 『ちょっと返してよ~、 ど、ど、どうしてこんな事するのよ~?』 「じゃあ・・・・・・ 返して欲しいんなら・・・・ 返してくださいって頭さげて懇願しろよ」 『ど、どゔじでぇ?』 何故かはわからねぇけど そう言っていた、正直この訳の分からない状況を試してるってのもある。 いつもの桜坂なら必ず怒鳴るか殴るかしてくるだろう・・・ 「早くしろよ! 眼鏡壊すぞ」 フルフルと震えながら静かにこっちを見ていた桜坂は俺の言葉にピクリと反応し、あろうことか視線を下げゆっくりと頭をさげた・・・ 「か、返してくださいっ お願いしますっ」 その言葉を聞き本格的に意味が分からないと頭を傾けながら、とりあえず眼鏡を桜坂の顔へと戻す・・・ 「お前なにその変わりよう、何か企んでるなら今のうちに…」 何を企んでるのか吐けと言いかけた俺に振りかざされた桜坂の手が頬に思いっきりヒットした・・・ バシン!っと鈍い音が辺りに響く…… 『ふざけんなッ!! 死ね。 この材木男!!!』 そう捨てゼリフを吐き全速で走り去る桜坂の背中を唖然として俺は見つめた・・・ な、なんなんだよアイツ・・・? 多重人格か?  
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