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開かれた扉、円筒の中から妙齢の女性が現れる。
全体的には白、それに青いラインが入った服を纏った知的な女性。
セイム・アカデミアだ。
この魔法都市アカデミアの市長、そしてクリスの母親だ。
「クリス、またお菓子をそんなに食べて。体に有害なものがたくさん入ってるものもあるのよ」
「母さん、僕はそんなことはわかっているよ。でも、これは特別に開発させた添加物も入っていない、血糖値も上げることのない代物だから大丈夫さ」
「またそんなくだらない事に頭を使うんだから」
呆れたようにセイムはため息を吐く。
が、横につれた青いレンズのサングラスをかけた屈強そうな男。
そいつが何かボソッと耳打ちする。
「そうでした。それで、研究は進んでるの?」
「まだ、完全には無理だ。実験は成功しているけど人間相手にはまだ早いよ」
「早く完成させてちょうだい。あなたの父親は失踪してしまった。だから、この実験を成功させる適任者はあなたしかいないのよ」
「わかっているよ、母さん」
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