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「へ~。そうなんだ」
「むっ。信じてませんね」
「大丈夫さ。信じてる」
サムズアップ。
「なら私の目を見て下さいよー」
正直、とてつもなく胡散臭かった。さらに話が世界レベルにまで広がり、そこに魔法やら魔導師やらが加わるとよけい現実味が薄れてきて信憑性に欠ける。
でも全部が全部否定できるというわけでもない。現に宗一自身だってカティアが言うところの呪われた人間だし、みんなから嫌われたくない一心で秘匿してきた。彼女の語っていた内容全部が作り話ではない。それだけは確か。
「信じるは信じるけどさ、今のところはまだ半信半疑だね。だって考えてもみてよ。魔法やら魔術やら魔導やらを現代社会の真っ只中に生きる若者が突きつけられて簡単に信じると思う?」
「そ、それでも実在するものは実在するんですぅ! たとえ宗一郎さんが信じてないからといって奇跡が起きないというわけはないんですからね!」
かたくな宗一についにかんしゃくを起こして拗ねてしまった。
それでも宗一は認めようとしない。だって神秘なんてものを認めてしまったら何でもかんでも魔法で片付いてしまう。
「もういいです。この話は止めです。宗一郎さんが信じようと信じまいと私はここにいますから」
図々しく居間を占領された。
「あれ。帰らないの?」
「? 何を言っているんですか?」
「???」
見事に会話が噛み合っていない。
「私は宗一郎さんの“呪い”を解くために来たんですから」
「ごめんなさい。話が見えません」
「ですから、ここに住みます」
「…………ん?」
今なんて言った?
「で~す~か~ら~。今日から宗一郎さんと一緒に住むんです」
駄目だ。ファンタジックなおとぎ話に浸り過ぎて耳が麻痺したようだ。もう一度よく訊いておこう。
「今日から同居しましょ」
…………。
…………
……………………。
……………………、……、
「はぁ!?」
やっと現状を呑み込んだ。
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