Un capitulo

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 とまぁ、大真面目(?)に疑問を解決しようとしているが、彼にとっては結果的にお咎めなしになったのでそんなのはどうでも良く、逆に会長の掌返しの対応が怖かった。「許してやったんだから」という理由で無茶苦茶な要求を迫られる可能性も有り得なくはない。 「言っておくけど私はまだ許してないんだからね」 「(いつも思うんだけど。俺なにか悪い事したっけ)」 「というわけで宗一君には今日の穴埋めをしてもらいます」  意味不明な提案をされた。一体いつ穴を掘ったのか。 「穴埋めって……」 「う~ん。そうだねぇ。何にしようか」  罰ゲームでも考えるかのような楽しい表情の五ッ葉。 「あっ。今度の休日って暇?」 「休日?」  その日はお出かけしたいカティアの要望もあって街に遊びに行く予定が入っていた。 「残念。先客がいます」 「それってもしかしてさっきの娘?」  勘が鋭い。 「じゃあ……」  五ッ葉はスケジュールを再確認。それでも別の日を指定してこないのはその日以外空いておらず埋まっているからだろう。  そして最後には妥協した。 「もういいです。一緒に行こう宗一君。私も連れてって」 「えぇ――グホァッ」  もたれていた扉が何の前振りもなく開き、そのまま背中からカーペットに転倒。 「これはいい事を耳にした」 「会長いきなり何――!?」  女生徒の制服はスカート。に加え、格好悪く倒れた宗一は仰向け状態。  丸見えだった。真下からのスカートはとてつもなく無防備だった。会長はスパッツ派らしい。 「んむ。どうした宗一。顔が紅潮しているぞ」 「か、か、か、会長っ!!」 「宗一君のバカァ!!」  五ッ葉の攻撃が急所に当たった!! 効果は抜群だ!! 「ギャァー!!」  太股の付け根を押さえながら悶え苦しむ宗一。他生徒からすれば痛快な風景だろう。 「その話わたしも乗ったぞ。あの娘と知り合ういい機会でもあるしな」  当の本人は恥らう素振などなく堂々と振舞う。 「そ、そうですね。先を越されたってまだ間に合いますもんね」 「お、俺の心配を……」
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