21152人が本棚に入れています
本棚に追加
/398ページ
ちっ。せめてこやつを囮にしてやる。
「トラップカードオープン『落とし穴』!」
足元に穴幅10メートルくらいの別次元の大穴が開き、一瞬中に浮いたリュートを穴へ蹴りおとした。
だがリュートもそれに反応し、蹴られたと同時に翼を生み出すと、その翼で足を絡めとった。
そして続け様にそこに魔法陣で一瞬だけ足場を作ると一気に体をひねり、俺を穴へと投げ飛ばす。
だがそれでも俺も負けじと忍術を使う。
「逃がさんぞおお!!万象天引!」
某ペインの術を使うことで強力な引力を発生させ、リュートを引き寄せる。そのイケメンなツラを鷲掴みにすると、今度は逆の能力を使いリュートを穴の底へと吹き飛ばす。
そこに追加するように某神殺しの魔王の力であるウルスラグナの猪を、かざした両腕から産み出すとリュート目掛けて穴幅ギリギリの巨大猪を放り投げた。
リュートはいつかの闇属性の沼を空中で展開すると、それをやすやすと飲み込んでしまう。
ちっ、やっぱ遠距離戦じゃや(殺)れないか。
「なんか今やな響きがした!」とかなんとか叫んでいるおバカを放って、現在進行形で近づいてきているミルナから距離をとることを含めた上で、テレポートを使い穴から脱出する。
だがテレポートする寸前でリュートが肉体を腕だけ蔓の形に変形させて俺の腕に絡み付き、共に穴から抜け出した。
「ついてくんなこのイケメンヅラァ!」
蔓の腕を掴み、本体へ一瞬で接近すると手のひらを押し付けて、手のひらとリュートの間に某魔法の貝殻を創造する。
「リジェクトダイアル!」
だがあんまり効いていないご様子。
まぁ、俺にも反作用のダメージほとんどないし。俺らレベルじゃ意味がないか。
「だっはっは!きかんな!!」
「黙れい!」
互いに拳を握りしめてぶつけ合おうという寸前で危機を察知した俺たちはお互いに拳の軌道を変え、その場から床をぶち抜いて下の階層へと逃げた。
上を見上げてみれば、完全詠唱されたミルナの上級魔術が上階をズタボロにしていたところだった。
だが危機に晒されていたにも関わらず、俺たちは落ちる途中でも戦闘をやめない。
俺が創造し、リュートがそれを破壊し、攻撃へ転じる。
最初のコメントを投稿しよう!