わたすぅはリア充だった

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ドキッっとくる事言うなよ。 「なんだよ、俺なんか変か?」 俺がどんな人間か知らない。とりあえず普通に接するのが一番だろう。 だが美少女はというと、顔色の悪いまま言った。 「アルは、自分のことを『俺』なんて呼ばない……。」 そっからか!! まさか一人称から否定されるなんて思ってもみなかったよ!! 「それに、私が倒れそうになったのを助ける筈もない。だってアルは、私みたいな自分以下の貴族にはどんな状況でも触れる事すらしないのに」 まさか、そんな人間だったのかよ、最低だな。どんな状況でもって事はニュアンス的に、倒れそうな人を助けないくらいじゃなく、もっと酷い状況でも助けないってことだろう。 最低だ。 しかし、どうしたものか。 かなり警戒されちゃってるよ。 そうだ! 記憶喪失って事にすりゃいいんだ! なんだ簡単な事じゃないか! 携帯小説の主人公たちの発想を借りればいいだけじゃないか! 「えと、ゴメン今までの事をまったく覚えてないんだ」 「覚えて……ない?」
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