わたすぅはリア充だった

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美少女は戸惑ったような表情を浮かべながらこっちを見ている。 「何も……覚えてないんですか?」 「うん、ゴメンね。君のことも、自分のことも。自分の名前すら、まったく分からないんだ。とりあえず、俺の名前を教えてくれると助かるよ」 我ながら素晴らしいくらいにあり得ないお願いをしたものだ。カラフルな髪の美少女たちの多い戦線の主人公でさえ、自分の下の名くらい知ってるというのに。 「本当に覚えてないんですか? そう言えば、毒により死にかけた者が息を吹き返すと、記憶を無くすと、聞いたことがあります」 ありません。 断じてありません。 「さっきの呼び方からして、君が俺のことをアルと呼んでいたことしか知らない。もしかしてアルフォンス・エルリック的な名前だったりする?」 アルフォートミニチョコレートじゃない事を祈るばかりだ。
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