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ふぅ、落ち着け。
傲慢な態度で行けばいいんだ。焦る必要はないんだ。
ガラッっと扉を開けると、机に座った生徒たちから一斉に注目を受けた。だが、すぐに皆視線をそらした。
どんだけ悪い奴なんだよ……俺は。
お腹が出ている先生らしき人に言う。
「すみません先生。医者に診てもらってたんで遅れました」
しかし、教室もでっけえな~。どんだけベタなんだよ。
「は、はぃ」
もう一度言おう。どんだけ悪い奴なんだよ。
空いてる席は……。
あった、一番後ろの窓側か。どうせ権力を振りかざして奪ったかなんかしたんだろう。ミルナの話を聞けば想像くらいつく。
いやしかし、自分にも信用がないとかどんだけ悪い奴なんだよ。
席に付くなり、深い眠りに落ちてしまった。
情けなし。
――――――
「――きて――て。起きてください」
「んっ……。」
誰かの声により目を覚ました俺は、机に預けていた体重を自分で支えるように起き上がる。
俺を起こしたのは、一人の気の弱そうな少年。いかにも苛められっ子みたいな……。
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