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ちなみに、今は最初の奴らが闘っている。俺に回ってくるまで時間がある。
俺は、Sクラスが、並んで下の闘技場の戦闘を見学しているベンチを離れ、Aクラスのベンチへ向かう。
Aクラスから一瞬向けられた視線に狼狽えたが、負けじと歩みを進める。
一番上で女子に囲まれていたミルナ。人気者なんだなぁ。まぁ、いい娘だしな~。
ミルナを呼び出すために意を決してそこへ向かった。
「ミルナ、話しがあるんだ。ちょっといいかな?」
「え? うん。皆、ゴメンね」
ミルナは話していた女子生徒たちに両手をあてて謝る。
「い、いや。大丈夫だよ」
「そうだよ……。」
俺を見た女子生徒たちは、俺から目を反らしながらそう言った。
嫌われてんだなぁ~。俺。
「ごめんね、ミルナちょっと借りるよ」
汚名返上のために『笑顔や優しさ』と言う俺のナンパの師匠から頂いた言葉をこんな時こそ使い、馴れないが、できる限りの笑顔を向けた。
え? オタクがナンパするのかって?
はい、一時期やってました。
「いっ、いえ!」
伏せていた少女たちがこちらを見て、目が合った瞬間なぜか顔を真っ赤にしてまた顔を伏せた。しかも皆シンクロしてたしね。
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