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闘技場の真ん中にて、俺とゴッツイ男子生徒が向かい合っていた。あ、言ってなかったが、武器は木剣だけ。
だから今は、俺とギルが木刀を握って向かい合っている。
「始め!」
その掛け声に風の魔法でもかけているのか、闘技場に大きく響き渡る。
ゴッツイ男子生徒、基、ギルは試合が始まっているのにも関わらず、俺に向かって言ってきた。
「コレイトさん、お願いがあるんですが」
あ? 何言ってんだこのゴリラは。
「なんだ」
「その、今日は俺の彼女が見てるんで、負けてくれませんか? それにコレイトさんに怪我を負わせたくないですし」
よし殺そう。
こつは殺そう。
彼女がいる? こんなゴリラにだぁ? ありえねえ、リアルに対して興味はないが、彼女がいる奴はなぜかムカつく。
俺だって出来るなんてもんじゃなく、遊ぶことすらないと言うのにこのゴリラは……。
しかも負けてくれぇだぁ?
殺そう。
「やだ。それと全力で来い」
「そう言うと思いました。これはあくまで試合なんで恨まないでくださいね、《ファイア》!」
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