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ギルのかざした手のひらから火が出てくると、こちらへ向かって飛んできた。
スゲー。
初めて魔法見た。感動するぅ~。てか、ファイアとかどんだけベタな魔法名だよ。
じゃねえや、
ここは……。
俺は人差し指と中指を振り上げて唱える。
「結!」
そう唱えると俺を中心に青の透明な立方体が現れた。結界師から頂いた狭間流結界術。指定した場所に結界を張り、攻撃を防いだり相手を囲んで拘束したり空中での足場にしたりできる便利な術。
火が結界に当たり、消滅した。
「結界!? 嘘だろ、結界は最低でも四つの点を結んで作る上に、計算も必要だし、こんな一瞬で作れる訳がない!」
ギルが鼻息を荒くしてゴリラそのものって感じの顔で、丁寧に説明してくれた。俺も結界を解く。
いやはや、こんなに丁寧に説明してくれるなんて、ありがたやありがたや。
「よくわからないが、全力で行かせて貰います、はぁっ!!」
手に持った木剣を振りかざしながら、走ってくる。そして振り下ろしてきた木剣を、自分の木剣で防ぐ。
遅っ!!
何これ、こいつ真面目にやってる?
いくら何でも遅過ぎるだろ。
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