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「ケヒッ!」
「うおっ!」
続いて顔面に左フックを俺専用の『盾』で咄嗟にガードする。
「でゅくしっ」
黙れ盾は悲鳴なんてあげるものじゃないだろ。
さて、とりあえず逃げるか。おれじゃミルナに敵う気がしない。
だから逃げましょうか!
「いけ、囮!君にきめたっ」
ミルナからバックステップで即座に距離をとって、左手にぶら下げていたリュートを振りかぶって投げた。
「うひゃあアーーーーッ!……とでも言うと思ったか!!」
気がつけば俺が投げたものはリュートではなく、等身大のパツキン人形バーバラちゃんに変わっていた。
俺の隣に立っていたリュートは、某DIOの立ち方を決めながら言放つ。
「すり替えておいたのさッ!!」
「いいから逝け!!」
回し蹴りで蹴り飛ばそうとするが、リュートは今までの中でようやく経験を生かすことができたようでそれをガードする。
「私はしっぱあいから学ぶ男だ!!いかなる状況下であろうと失敗することを恐れず、そこから学び幾重もの地獄を切り抜けてきた男!!つーかぶっちゃけ今が積年の恨みを晴らす時!!高奈正八!!貴様がとんでいけええい!!」
「リュートてめどふっ」
まさかの急展開。使い魔に裏切られますた(笑)
ここにきて使い魔の逆襲。
反逆の使い魔R2である。
「うへへーーい!!逃げるのはおれ一人で十分なんじゃーーい!精々彼女とイチャイチャしてろーーーい。プギャーーー」
リュートに構っていたら背後から飛んできたパンチに反応できず、廊下を走っていくリュートに向かって飛ばされた。
空中で体勢を立て直し、勢いのままリュートの背中へ張り付くと鼻の穴を指で思いっきり吊り上げる。
「逃がすかこの野郎!!」
「ふがっ!くそ!この主人めなんてしつこさ!彼女とフガッ、仲良くフがッ、追いかけフガッ……追いかけっこでもしてればよかろフガッん」
フガフガッ言いながらも走り続ける。
後ろを見ればミルナはどこか(恐らく近くにある厨房)らか持ってきた包丁を片手に笑顔で走ってきていた。
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