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こちらに笑顔で歩いてくるミルナ。
可愛いのにやっぱりおっかないです。
リュートの襟を掴むと天井を突き破り、一気に疾走し、ミルナから距離をとるために屋敷を走り回る。
「それじゃま、逃げるにあたってリュート。お前には囮になってもらおうと思うんだがどうだ?」
「いやどうだ?じゃなくてね。うん、まず俺をいのいちに犠牲にしようとしているその考え方をどうにかしようか」
「まぁ、そんなこと言っても囮になってもらうんだからね!」
必殺!ポリジュース薬!!
某魔法のお薬をリュートの口に突っ込む。
「おげえええ!なにこれ!まっず!ハリポタはこんなの飲んでたのかよまっず!!ブラックコーヒーに納豆突っ込んでカレーを加えつつアルコールを混ぜてそこにニンニクを入れて更になぜかオッサン臭くてくっそ甘くて、それを泥水と胃酸で割ったような味がする」
「なにそれ怖い」
まるで食りぽだな。
まぁ食欲なんて微塵もわかないけど。
と、なんやかんやで、リュートの姿は俺の姿と同じになった。
「なぁなぁ、幽体離脱ぅってやろうぜ」
「一人でやってろたこ。だがしかし、あれだな」
「なに?」
足を止めると、俺は今の今まで引き摺り回していたリュートを隣に立たせて、目の前に鏡を創り隣に並んだ。
「やっぱイケメンだな、俺。二人揃うと倍でイケメンだな佐藤○も真っ青」
「超絶ナルシおつ」
約数分後、ミルナが追い付き、二人を見つけた時、二人は鏡の前で言い争っていた。
「なんだよ!文句あんのかよ!」
「あるに決まってんだろうが!ふざけんなよ!『の』の終わりで踏み出すんだよ!」
「可笑しいだろうが!『の』の終わりじゃなくて『っ』の始まりで踏み出すんだろ!」
「はぁ!?意味がわかりませぇーーん!ぱぁどぅぅぅん!?」
「張った押すぞ!じゃ間をとって『っ』の終わりでいくぞ」
「……いいだろう、おk。いくぞ!」
「おう!」
「「せーのっ!」」
「「フューーーーージョン!!!ソイヤッサ!!!」」
見事に人差し指を互いに合わせて同じポーズをとった二人は、うなずき会うとどちらからともなく、握手を交わした。
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