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「あ、嫁ちゃんきた」
リュートは今更になってようやく気がついたようだ。
「それじゃリュート。さっそく囮作戦開始だ」
「いやまて。了承した覚えはないぞ」
「えっ!?」
「え?なんでそんな意外そうな反応なの?むしろなんで囮なんてやると思ったの?嫁ちゃん、俺たちの大天敵ナウだよ?死ぬよ?」
「リュートなら、いんじゃね?」
「軽々と言ってくださるぅー。なにこれぇー。うちの主鬼畜すぎるぅー」
「黙って。GO!!」
「あふん!」
ミルナに向かって蹴り飛ばされたリュート。
「だがしかし!」
リュートは床を突き破り、またしても下の階へと逃げ去ってしまった。
「ちっ」
なんて、舌打ちをしていると……。
ミルナが両手を上げて詠唱を始めた。
なんだろう、棚に届かなくてジャンプしてる微笑ましい姿が浮かんでくる。やだ可愛い。
なんてほのぼのしていると、ミルナが両手を降りおろすと同時に詠唱を終える。
一瞬で、白金の魔力が辺りに爆発的に拡散した。
「まずっ!」
ぼけっとしていた俺はすぐに結界を八重に展開する。だが、それも虚しく結界は全て容易く砕かれてしまった。
「っ!」
咄嗟に魔力を大量に放出して対抗した。
魔力の塊に身を包んだ状態で耐えようと踏ん張る。だが放出した魔力は外側から物凄い速度で破壊されていく。それを補うために破壊された分を産み出して付け足していく。
「YA BA I!」
ミルナの魔力に触れるだけでゴリゴリ俺の魔力が削られるのだ、そりゃもう半端じゃない量を消費していく。ふれた瞬間に俺の魔力が消されてくんだから、たまったもんじゃない。
ふんばれ俺!
じゃないと死ぬ!
ぶっちゃけ余裕そうに調子ぶっこいてるけど、実際、ミルナの攻撃に当たったら回復も復元もできないし、死亡確定なのよね。
俺たち神に関する奴等にとったらもう、上級魔術だけでも十二分に必殺ですわ。
なんとか白金の魔力を耐えしのぎ、一息つく。
「ふぅー。にぃいぃぃげるんだよおおおおおおううううう!!!」
一息ついてる場合か!あほか!
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