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廊下に出るとミルナから差をつけるために走って逃げ去る。
逃げ際には、ホーエンハイムのように足元から屋敷を錬成して、一歩進むごとに背後に壁を創り出す。
だがそんなものはなんの障害にもならないようで、追いかけてきたミルナの腕のひとふりで半分が消し飛ぶ。
「いやぁあああああああ!!強すぎんだろ!!」
いくら展開しようと即座に破壊されていく。逃げても逃げても追いかけてくる恐怖。なにこれ怖い。まじ怖い。
まるで悪夢じゃないのよ。
「ミルナたんは天使ですけどねえええ!」
逃げる。逃げる。とにかく逃げる。
……と、廊下をダッシュしていると壁に頭が埋まっている変態を見つけた。
「おーい。リュートどした」
あー、あれか。さっきの魔力放出はもしかして屋敷全体に届くように使ったのか。
俺に変身してるリュートと見分けがつかなくなったからどっちにも届くようにやったのかな?まぁ、その変はリュートが逃げたせいでまだ試せてないからわからんけど。
なんという荒業。それに当てられたリュートはただいま屋敷と一体化してると。そういうわけかなるほど。
まぁ声はかけたが構ってる暇はないのですぐに通りすぎるが。
「あるほ……ぁぉぉぉ……どこにぃ……いくんですかぁぁ……ぁあああああああああああああああああ!!」
ミルナ怖っ!
「助けろよ!」
その声に反応したリュートは、体を震わせると頭を引き抜き、俺の隣を並走する。
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