21154人が本棚に入れています
本棚に追加
あーもうクソッタレ!こっちはこっちで忙しいってのに、なんでこんなときに問題を起こすかなあのゴキブリは!
「行っといでよ。ミルナたんはどうにか俺が時間稼いで酔い覚ましておくから」
「はぁ?どうやって行けと?」
「まぁ見てて、ハァ!!」
リュートは走りながらも、なぜか尻を後ろへ強く突きだし、両手を広げ、白目を向きつつ涎をたらし始めた
「なにそれ、火星人ごっこ?アホみたいだね、面白い面白い」
こんなのに時間とられてる訳にはいかないんだけど。
「ハァアイ!!」
やけに語尾が上ずった裏声でそんな奇声を上げると、廊下の先にゲートが生まれた。
「おお!もしかしてあれで──」
「おう!あれで異世界にいけるぜ!」
「誰がGATEっつったよ!」
「フヒヒめんごめんご、すいまーせん。ぶひゅひゅひゅひゅーーーーーーのひゅ」
は、腹立つ。
「けどまぁ、外に繋がってるのは本当らしいな。どうして出来たんだ?ここは神殺しの結界だろ?」
「せやね。けど、本物の屋敷をベースに創られてる。あのね、秘密にしてたんだけど、屋敷中の鉄柱に細工して陣を作ってたんだ実は。用途は逃亡用だ。もしものために仕込んどいて正解だったぜい」
「あ、あれ!?リュートがまるで使い魔のように仕事をしている!?明日は槍が降るのか!?」
「馬鹿野郎。大人の教科書が降るんだよ」
やめろ、教育上よろしくないことはやめろ。
だがしかし、まさかリュートがここまで使えるだなんて、超驚き。
「最近のお前には色々と助けられてる気がするよ、こんどお詫びでもしてやる。なんでも言ってくれ」
「え!?正八がまるで主人のようなことを言ってる!?明日は脱ぎたての靴下が降るのか!?」
「馬鹿野郎。俺の愛情が世界に降り注ぐのさ、ふっ」
「おえきも」
「知ってた」
最初のコメントを投稿しよう!