チート、始まるよー

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こいつは理不尽過ぎる。携帯小説の主人公たちはこんな奴らを相手にして―― 「いいから黙って話しを聞け。その異世界に、ある神が降り立った、放置すれば世界にどれほど大きな影響を与えられるかわからん、その世界へ行き、それを倒して欲しい。我々神では世界へ直接干渉は出来ないが、間接的なら問題はない。だからお前を送る。その神は世界へ直接干渉出来る力を持っているため、我々では干渉できない。質問はあるか?」 「この世界の俺はどうなる?皆の記憶から存在が消えるのか?」 「いや、異世界へ行くと行ってもお前自身が行く訳ではない。お前の魂だけが行く。地球でのお前は意識不明になる。時間軸は異世界と変わらん。 で、その世界にお前と魂の形が似た人間がいる。彼は今日死ぬ予定だ、彼の体を使う」 死ぬ……? 「ちょっと待て!誰かを殺して体を奪うなんてふざけた事は認めねえぞ!!」 流石にそれは後味が悪過ぎる。いや、多分罪悪感に耐えきれなくなる。 「違う。奪う訳ではない。彼は魔物の毒に体を蝕まれていてな、今日死ぬんだ。私が決めた事ではない。世界だけじゃなく、彼の周囲の者を悲しませずに済むんだ」 「分かったよ」 チートに免じて行ってやろう。
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