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幽霊とはいえ、無機物、つまり生き物以外なら触れるのだ。
なので昔、お世話になってるお礼にと裕司が料理を作ったのだが、一口食べたシノさんの下半身が光の粒子になるという悲劇が起きた。
何とか気合いで踏み止まったが、それ以来裕司に料理禁止令が出された。
裕『玉子割って焼くだけなのにね?』
シ『他人事みたいに言うニャ!!あれは料理じゃなくて凶器……』
調理室の天井付近で言い争っていると、突然シノさんが止まった
裕『どうした?』
シ『しっ!静かに!』
「ねぇねぇ、双葉七不思議で一番怖いのって何だと思う?」
「うーん、やっぱ動く標本とか?」
「血の涙も結構ねぇ?」
「音楽室の猫は?」
「あぁ、それって誰かに捨てられて死んだ化け猫の叫びらしいよ!」
「うわぁ……、でも一番は教頭でしょ!だって明らかにヅラなのに誰も指摘しないんだよ?きっと指摘した奴に嫌がらせとかしてんだよ!」
「えーキモいし!!それよりさぁ………」
女子高生みたいな会話だと思いながらシノさんを見ると、
シ『……化け猫……僕は化け猫じゃニャい……。
あの生徒……夜枕元で鳴き続けてやるニャ……。
朝は靴隠してやる……』
黒い物に包まれていた。
裕(シノさんを化け猫扱いすると最低3日は地味な嫌がらせされるんだ。 ご愁傷様……)
触らぬ猫又に祟りなし
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