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裕『大体からして、石倉君は何故そんなに八雲を気にいったんだ?』
すると石倉君は少しふて腐れた様に答えた
石「奈津は……怖がらなかったんだ……。喧嘩ばかりで傷だらけの俺を見ても普通に接してくれた。
他の奴はビビって近寄っても来ない中、奈津だけは笑いかけてくれたんだ!」
その答えに、全員が呆れた。そして始めに口を開いたのは、ルカ君。
ル『……僕、石倉のおにいちゃん怖くないよ?』
石「え?!」
ル『あ、おっきい声はびっくりするけど、シノさんや神楽兄ちゃん達とお話してる石倉のおにいちゃんは、おちこんだり、すねたり、いっぱい色んなお顔しておもしろいんだよ~』
石「……俺が…面白い?
初めて言われた………」
神「ルカ君だけじゃありません。此処にいる中で 石倉君を怖がっている者はいませんよ。そういう風に感じたのは、石倉君自身が周りに壁を作っているからなのでは?」
ボイラー室で見た聖母の様な笑顔で問われ、心が揺れる
けれど、この二ヶ月、八雲奈津といる時の気持ち も嘘ではないはず……
苦悩する石倉君に、
神「すぐに答えを出す必要はありませんよ。とりあえず明日からも除霊は続ける事ですし、少しづつ周りを、視野を広げていけばいいと思います。
まぁ、今日の所は部屋でゆっくり休んで下さい」
石「あ、あぁ……」
促されるままに退出する石倉君を見送った後、神楽は眼鏡を外しソファーに倒れ込んだ
神「……もう無理です…。顔の筋肉が………」
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